荻野先生によって蒔かれた 臨床心理の種子 池田豊應(大17期 教育) |
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私が卒業したころには、臨床心理の専門家資格を国家レベルで認証する制度を設立しようとする動きが高まっていたが、その後、大学紛争、学会紛争が激化する中で、この動きはあえなくついえていった。その後長い経緯を経て、十数年前「臨床心理士」が正式に資格化された。今日、スクール・カウンセラーをはじめとしてその要請はきわめて高いため、この資格所有者は決定的に不足している。それゆえ、この資格保有者の養成が焦眉の急なのであるが、愛知学院大学院は、この資格養成大学院制度発足の年から、臨床心理士養成第一種指定を受けている。ここを卒業して、臨床心理士資格を取得した私の指導院生は、すでに数十名に達している。 |
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この成果は毎年、学会に発表してきていることもあって、その理論と実践は、もっとも有効な不登校問題へのアプローチとして多くの注目を集めている。具体的には、拙著「不登校 その多様な支援」(大日本図書)、「人間学的心理学」(ナカニシヤ出版)等を参照いただければ、幸いである。 今日、このような形で臨床的な寄与ができているのも、最初のオリエンテーションを与えられた恩師、荻野恒一先生のおかげである。先生によって蒔かれた「人間学」の種は、今や孫の世代にいたって大きな花を開かせようとしているのである。 |
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