恩師を囲む会

第45回  五百旗頭 博治 名誉教授(キリスト教学科)

日 時:2014年9月21日(日)13:30~
場 所:名古屋キャンパス教職員食堂
参加者:7人

●先生からのメッセージ

 過日の恩師を囲む会では、カトリック研究会の部員たちをはじめ同窓会より手厚いもてなしを受けたことを心よりお礼申し上げます。本会冒頭のあいさつの中で紹介した二つのラテン語の文章(一部)についてここに書き記す。
 Mozartは最晩年の1791年に、中世以来伝えられてきたラテン語の聖体賛美歌“Ave verum corpus” (四行詩)に対して新しくすばらしいポリフォニーの曲を付け加えた。しかし不幸にも現代に至って多くの音楽家は「ラテン語」や「(カトリックの)秘蹟」の理解から遠ざかってしまい、このMozartの作曲そのものは晩年の傑作の一つとして認められることはあるにしても、その短い歌詩は意味不明のままに留め置かれている。そして本来この歌詞の持つ奥深い神秘性は失われるのである。この歌詞のはじめの三行ではキリストのからだは(幻ではなく)マリアから生まれ十字架上で人々のために犠牲となった実際の肉体と血であると賛美する。最後の文章は「それ(その肉と血)が私共の死の試練においては前味(プレグスタートウム)となりますように」とある。(ここでカトリックの秘蹟理解を援用すると)聖体の秘蹟は、外見上は聖別されたパンとブドー酒に過ぎないのであるが実際はキリストの肉と血そのものに他ならないので、人が臨終に聖体をいただく場合は、それはこの世で既にキリストの肉と血に与かることであり、天国において神キリストとの完全な一致を成就することの「前味」となるのである。(後略)
 出席していただいた彼ら全カト研生の良き老後と幸せを切に祈っております。

埴原 進(大20期 英米)

旧カト研のメンバ-7人集まって

 9月21日(日)、緑の林に囲まれた職員食堂で、五百旗頭博治先生を囲む会が開かれました。参加者は旧カト研のメンバ-です。卒業以来初めて母校に帰ってきた先輩もいました。先生のあいさつに続いて、モ-ツアルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を聞きました。先生は誤解されやすいラテン語の歌詞と聖体の秘蹟に基づく正しい日本語訳を説明してくださいました。
 昼食後、参加者は近況と先生との思い出、これからの目標などを話しました。作曲している方は曲の出版の希望を話し、演劇をされている方はシェークスピアの語りを実演しました。お孫さんとの米国旅行、中国での仕事、地域の役員の話などで一人ひとり元気な様子を報告しました。先生との思い出では長野県泰阜村での夏合宿、長崎市と福江島への巡礼旅行、養護施設訪問などの話で盛り上がりました。最後に花束と色紙を贈呈し、再会を約束して散会となりました。お世話になった同窓会事務局と委員の方々に改めてお礼を申し上げます。